ブログデザインとシズル感についての考察
「シズル感」という言葉を耳にしたことがありますか?
おそらく、ほとんどの人には、それほどなじみのある言葉ではないでしょう。
「シズル」とは「sizzle」すなわち、揚げ物や肉が焼ける際の「ジュージュー」という英語の擬音語が元になっており、そこから広告などで食品の魅力を表す言葉として用いられてきました。
今では食品だけでないその図案の魅力のことをさすことも多く、私個人としてはざっくり「そそる」というような意味で用いております。
「このポスター食欲をそそるわー」とか「つい持ちたくなるプロダクトデザイン」とか、まあそんなの含めてざっくり「シズル感」ってことにしています。
さて、この「シズル感」意識はしていなくても、ほぼ全ての人が認識はできるものだと思っておりまして。
ここで、今回このエントリのきっかけになった一枚の写真があります。
取り上げた私ですら上手く言葉にはできないのですが、ビールをこういう写真でアピールして
「美味そう!つい飲みたくなる!」
と思う人がどのくらいいるのだろうか、と疑問が浮かびました。
少なくとも、自分が求めているビールの「美味そう!」と思う感じはこの写真では決してない、と。
ブログのデザインとシズル感
さきほどのビールの写真は顕著な例だとして、見た目で何かを選択するということが、意識はしていなくても。私たちにはよくあります。
それは言葉にされないことがほとんどで、大抵の場合「なんとなく」で片付けられるものです。
ここで「シズル感」が作用するのは、実際の味ではなく味わう前の印象であると言う定義をしてみると、ブログのデザインとは、ブログにとっての「シズル感」が演出できるものであると言うことができます。
つまり、ブログのデザインは、初めて訪れてくれた人に対する安心感の一歩目であったり、何度も訪れてくれる人に対する信頼感になりうるということです。
こう考えると、あのブログが「なんとなく」好きとか、このテイストのブログはまず読んでみる/もしくは興味をそそられない、の理由になることの説明がつきます。
であるから、ブログのデザインはブロガー自身が、どう見てもらいたいかを表す要素になりうるものだ、と。
このブログのトップページデザインについて
先日、ライフハック Liveshowに出させていただいた際のテーマが、まさにブログのデザインについてだったのでした。
この時、この10月の頭にリニューアルしたこのブログのトップページデザインについて
「どこかPinterestっぽいような」というような印象をいただきました。
説明としては「グリッドとか、iGoogleが好きなので」と言ってはいたのですが、「与えたい印象」という意味でなんとなく答えが見えた気がしました。
それはこのブログの名前「切り抜きジャック」の元々の由来、「私の興味を切り抜いて置いておくところ」をカタチにしようとすると、読み物のようなリスト型のトップページではなく、スクラップブックみたいなこのグリッド型があっているし、結果そのようになっているのだと思ったのです。
これだけ内容がアチコチ飛ぶようなこのブログにとって、見てもらいたいのは時系列ではないのかな、と。
逆に要素が並んでいて、好きなものからつまみ食いみたいに読んでもらいたい、と考えると私のブログはなるべくしてこの構成になったのだと自信をもって言えるようになりました。
今回のワシヅカミポイントは
- 「シズル感」とは「そそる感」
- ブログのデザインはブログのシズル感を演出できる
- 切り抜きジャックは私の興味のスクラップブック
の3つ
「これがこうデザインされている理由はこう」と説明されることは少なく、必ずしもそれが使ってくれ人、見ていてくれる人に伝わるとは限りません。
ただ、たまにはこうして説明してみたいな、と思ったのでした。
パラパラっとめくって、ピンときたら是非読んでみてください。
そんな「切り抜きジャック」を今後ともよろしくお願いいたします!